第6回講義レポート-事例:伊藤忠商事「New CI project」

受講日
受講生
Y.Y(コスメメーカー
STRAMD OSAKA 2017 第6回講義(1)

依頼内容は「世界で使える理念をもちたい」ということ。

当時の伊藤忠商事

  • 商品をつくるかのように関係会社を新設していた(1994年時点で日本最多の824社)
  • 社名の読み方が世界で34通りもあり海外ではブランドが認識されていなかった
  • →“国際総合企業”…真の伊藤忠らしさと企業力の構築をめざした。

具体的手法例

  • CIC調査(コーポレートアイデンティティコスモス)
  • 3ポイント調査など
  • →キーワード、会社の特色が見えてくる

いま、なぜ理念か

現代は急速なスピードで大きく変化しており、組織の哲学が問われる時代となった。
企業を志望する要因は変化し、単なるモノやサービスの評価ではなく文化・環境・国際論理等に対する企業姿勢が消費者の購買行動を左右するようになった。

→企業としての統一見解や判断基準を見出すこと(理念)が注目されている。

所感

調査で自社社員と一般人の回答とのギャップが生まれたことに対し、事実を真摯に受け止め、評価が良くなかった部分を補うにはどうしたらよいかをディスカッションしたという例や、管理職ができるだけ経営者の視点をもって「①自社の最大の強み ②自社の最大の弱み ③ビジョン(国際総合企業)達成のために今なにをすべきか」を考える等の取り組みを行った。そのこと自体が社内運動となりCIの考え方や重要性が社内に根付いていった。

ということだが、実際には、これまでの企業文化や体質を変えることは容易なことではないと感じる。理念やコーポレートフィロソフィーは明文化して終わりではなく、明文化してからが始まりであるため、それに基づいて社員が具体的行動をとれるようにするためには中長期視点で段階的に取り組む必要がある。

そして、取り組みを成功させるためのポイントは「いかに経営陣を巻き込んでいけるか」という点。そのためには、経営陣の理解を得られるデザイン理論、手法を有効に使う必要があり、戦略的なデザイン思考を身につけていきたいと改めて感じた。